ポルムベスク/望郷のバラード
       J.S.バッハ/シャコンヌ
       シューマン/「子どもの情景」より トロイメライ
       山田耕作/この道
                                他


天満敦子(てんまあつこ、ヴァイオリン)
  東京都出身。6歳よりヴァイオリンをはじめ、小学校時代、NHK・TV「ヴァイオリンのおけいこ」に出演。講師の故 江藤俊哉氏に資質を認められて音楽家への道を志した。東京藝術大学在学中に日本音楽コンクール第1位、ロン・ティボー国際コンクール特別銀賞等を受賞して注目を浴びる。海野義雄、故 レオニード・コーガン、ヘルマン・クレッバースらに師事。

 1992年「文化使節」として訪れたルーマニアで、「ダヴィッド・オイストラフ以来の感激」(同国文化大臣)と高い評価を受け、公演は空前の成功を収めた。翌年この訪問が縁で巡り会った同国の「薄幸の天才作曲家」ポルムベスクの「望郷のバラード」を日本に紹介、以後この作品は天満敦子の代名詞とさえ言えるほどのクラシック界異例の大ヒット曲となった。憂いをおびた美しい旋律とともに、曲に秘められたエピソードも話題をよんだ。

 朝日新聞朝刊に1998年7月から1年余り連載された小説『百年の預言』(著/芥川賞作家高樹のぶ子)に登場する情熱の女主人公走馬充子(そうまみつこ)は彼女がモデル。作品を貫いて流れる憂愁の旋律<バラーダ>は、言うまでもなく「望郷のバラード」。

 NHK・BSと総合で95年より再三放映された「わが心の旅・漂泊のバラーダ」は視聴者に深い感動を与えた。00年文芸春秋社より自伝的エッセイ『わが心の歌 望郷のバラード』が処女出版され、好評を得て版を重ねている。05年5月以降再三放送されているNHKスペシャルのドキュメンタリードラマ「望郷」(脚本・演出/岡崎栄)では同年1月の紀尾井ホールでの「望郷のバラード」演奏シーンが使われ、曲の美しさに加え、天満敦子の人間的魅力が改めて脚光を浴びた。

 これまで多数のCDを発売。そのうち、93年録音の「望郷のバラード」(アートユニオン)は大ヒットとなり、「現代日本のヴァイオリン音楽・抄」は文化庁芸術作品賞に輝く。キングレコードへの移籍後、この秘曲との巡り合い10周年を記念して03年秋に発売された「Balada(望郷のバラード)は高い人気を得て、これまたロングセラーを記録している。04年1月放送の「吉岡秀隆シルクロード浪漫」(東海テレビ開局45周年記念特番)では小林亜星が作曲したテーマ曲の演奏を担当。同時にCD「シルクロード浪漫」を発売。5月には初のDVD「望郷バラード~天満敦子in葉山2004」(神奈川県立近代美術館葉山館 開館記念ミュージアムコンサート)もリリースされた。また11月には待望のバッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」全曲CDが発売され、楽壇の注目を集める。

 05年4月には天満ファンを自認する小林亜星の書き下ろし作品3曲を含む<日本のうた>アルバム「ねむの木の子守歌」が第47回日本レコード大賞企画賞を受賞という栄誉に輝いた。06年9月には”旅へのロマン”をテーマにしたCD「ツィゴイネルワイゼン」を、07年6月には”愛”をテーマにしたCD「愛のあいさつ」リリースし、これまたベストセラーを記録している。

 天衣無縫、個性味あふれる語り口と、ステージにおける強烈な自己投入が、彼女の魅力と言われるが、その裏に秘められた深い譜読みと、絶えざる研鑽の日々を知る人は少ない。現在、東邦音楽大学大学院教授。

 使用のヴァイオリンはアントニオ・ストラディヴァリウス晩年の名作。弓は伝説の巨匠ウージェーヌ・イザイ遺愛の名弓。

(出典:天満敦子オフィシャルホームページの「プロフィール」より引用、2009年4月)